こんにちは!設計士のYukoです♪
この記事では
・間取りを決める際にもっと部屋を広くしたい!もう一部屋欲しい!と思っている方
・でも…もう容積率がいっぱいで家を広げることが出来ないと言われてしまった方
・地下室を計画している方
・駐車場やバイクガレージを計画している方
に向けて建築基準法に則った除外できる床面積についてご紹介。
せっかく購入した土地。
ちょっとでも大きく建てたいし広い家にしたい!!
ですが、容積率をオーバーした建築物は確認申請が認められず…
家自体を建てることが出来なくなってしまいます。
当たり前ですが、建築基準法を守った面積の範囲で計画を進めなくてはいけません(︶^︶)
この部分の面積って除外できるんだ!だったらもう少し部屋が広くできる!
といった知っておくと便利な情報を分かりやすく説明していきます!(^o^)/
そもそも床面積の上限って?
では、建築できる面積の上限について考えていきましょう!
お家の面積はその地域で定められた法律に則って上限が決められています。
皆が好き勝手に高い建物や大きな建築物を建てられない様にするために、
都市計画法に則って各地域で用途地域が設定されて建蔽率や容積率が定められているんですね。
床面積を検討する上で、注目すべき数値は容積率。
例えば土地の面積が100㎡、容積率が200%の地域であれば…
100㎡×200%=200㎡で延床面積の上限は200㎡になります。
これが建てられるお家の床面積のMAXの数値です。
では決められた容積率以上は絶対に建てられないのでしょうか?
そんなことはありません!実はいくつか緩和措置があります。
容積率をアップさせる緩和措置①地下室緩和
1つ目は地下緩和。
地下にお部屋を作る場合は…延床面積の3分の1を上限に地階の部分の床面積を全体の床面積から除いていいですよ
という緩和措置です。
地盤面から地階の天井が1m以下である地階にお部屋を作ること、
住宅の用途として供していることが条件となります。
例えば下の図。
地階:50㎡、1階:50㎡、2階:50㎡で延床面積は150㎡になります。
延床面積の3分の1を上限なので150×1/3=50㎡となり、地階の50㎡がまるっと緩和対象の面積になり除外されます。
つまり、150㎡-50㎡=100㎡の床面積で申請が可能ということになります。
なんと地下室を設けることで、建てられる床面積が1.5倍になっていることが分かります。
面積緩和だけでない地下室のメリット
- 防音効果に優れている
- 温度変化が少ない
地下室を作る場合は、建物の構造が上階が木造でも地下部分は鉄筋コンクリート造(RC造)になってきます。
その為、防音効果が優れており、温度変化が少なく一定の温度を維持しやすい環境が可能です。
シアタールームや防音室、ワインセラーや貯蔵庫として幅広い機能を持ったお部屋として活用する事が出来ます。
スタジオなどの趣味室にも最適!夢の空間ですね…( •̀ ω •́ )✧
地下室のデメリット
メリットも多い反面、こんなデメリットも…(︶^︶)
- 工事費が高い
- 工期が掛かる
- 入り口部分に高低差が出来てしまう
地下室部分は工事費(RCにしたり設備等が高値になってきます)と工事期間が掛かります。
また、半地下のような形状にした場合は玄関までのアプローチ部分に段差が生じてしまうので
場合によっては道路から玄関入口まで階段やスロープを付けることになります。
容積率をアップさせる緩和措置②駐車場緩和
2つ目は駐車場緩和です。
その名の通り…建物に付属する車庫(カーポートのような)や、お家の中に駐車場を作ると
延床面積の5分の1までを上限に床面積から除外していいですよ、と言うものです。
例えば上の図。
駐車場・車庫が20㎡、1階の車庫を除いた部分が50㎡、2階が50㎡だとすれば、その合計120㎡。
これが延床面積になります。
その5分の1は24㎡であり、車庫部分の床面積(20㎡)がまるまる除外されますφ(゜▽゜*)♪
つまり、120㎡-20㎡=100㎡の床面積で申請が可能ということになります。
ちなみに床面積の5分の1を超える駐車場の面積については、超えた部分が延床面積に加えられます。
では、もう一例。
駐車場面積を先程よりも多くしています。
上の図の例のように…
駐車場・車庫が50㎡、1階の車庫を除いた部分が20㎡、2階が50㎡だとすれば、 延床面積は120㎡。
120㎡×1/5=24㎡。これが面積除外できる上限の面積になります。
車庫部分の床面積の50㎡から24㎡を差し引いた26㎡分を延床面積に加えればOKという計算になります。
つまり、120㎡-24㎡=96㎡の床面積で申請が可能ということになります。
フルでこの緩和を使うと、なんと床面積が1.2倍大きく建てられます!
上の図の①の例を参考にお話をすると…
例えば、床面積の上限が100㎡と決められていたとします。
駐車場・車庫が20㎡、1階の車庫を除いた部分が50㎡、2階が50㎡だとすれば、その合計120㎡。
20㎡オーバーしているけれど、車庫部分の床面積(20㎡)がまるまる除外されるため、
上限である床面積の100㎡に数値が納まっているため、クリアできる!ということです。
本当は100㎡しか建てられなかったけど、駐車場緩和を使うことで実質120㎡になりました。
その違い、1.2倍!
我が家も駐車場緩和を利用しました!
家の中ではなく外に駐車場を作る場合(カーポートのような)でもこの緩和を受けることが出来ます。
ビルトインガレージのような、家の一部を駐車場にする間取りはよく見かけますよね。
我が家も車ではないですが、バイク用の駐車スペースを家の中に設けています。
この緩和を使うことで、バイクガレージ分の4.97㎡分を他のお部屋の面積に充てることが出来ました。
シャッターを取り付けてビルトインガレージとしています。
室内にバイクを駐車できるため、雨風が守れるため備品も錆びにくくバイクに優しい間取りとなっています。
家の中でメンテナンスやバイクの掃除も出来るので
バイク好きの旦那さんにとってはたまらないスペースだそうw
我が家は容積率の厳しい地域なので、微々たる面積ですがこの緩和が効いていると実感しています。
この駐車場緩和は、車だけではなくバイクも認められるのも嬉しいポイント!
地下室と駐車場緩和を使って床面積をアップさせよう!
上で説明した2つの緩和規定は併用が可能です。
では今回のまとめです。
ポイント
・家の面積はその地域で定められた法律に則って、床面積の上限が決められている
・もっと部屋面積を広げたい場合、以下の緩和措置があるので検討してみるのも手。
・地下室は延床面積の3分の1を上限に地階の部分の床面積を全体の床面積から除ける
・駐車スペースは延床面積の5分の1までを上限に床面積から除外していい
・どちらもメリット・デメリットがあるので注意が必要
特に駐車場緩和は取り入れやすい緩和措置なので、是非覚えておいてくださいね!
限られた敷地面積、決められた容積率の中でも緩和規定を上手に使えば床面積をアップさせて
生活スペースを広げることが出来ます( ̄︶ ̄)↗
間取りの計画時に有効活用して納得のいくプランを完成させましょう!
ではまた(^o^)/